導入
技術士第一次試験の機械分野では、金属材料・非金属材料の基礎知識がよく問われます。
特に、鉄鋼材料の状態図、熱処理、合金の強化機構、セラミックス、プラスチックの特性は、H29〜R7の過去問範囲でも繰り返し出題される傾向があります。
一方で、この分野は専門用語が多く、初心者にとっては次のような悩みが出やすいです。
- フェライト、オーステナイト、パーライト、セメンタイトの違いがわからない
- 焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼準を混同してしまう
- セラミックスの長所と短所を整理できない
- 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いが覚えにくい
- CFRPなどの複合材料の特徴がイメージしづらい
この記事では、機械エンジニア初心者〜中級者や技術士第一次試験の受験者に向けて、金属・非金属材料の頻出ポイントをわかりやすく整理します。
試験対策としてはもちろん、実務で材料を選ぶときの基礎知識としても役立つ内容です。
この記事でわかることは次のとおりです。
- Fe-C系状態図で押さえるべき基本組織
- 焼入れ・焼戻し・焼なまし・焼準の違い
- 固溶強化・析出硬化の考え方
- セラミックスの長所と短所
- 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違い
- CFRPなど複合材料の特徴
- 技術士第一次試験で覚えたい頻出ポイント

金属材料、セラミックス、プラスチック、CFRPなど、金属・非金属材料の頻出テーマをまとめた記事のイメージ。
目次
- 金属・非金属材料が重要な理由
- 金属材料と非金属材料の分類
- Fe-C系状態図と鉄鋼材料の基本
- 鉄鋼材料の代表的な組織
- 熱処理の種類と目的
- 合金の強化機構
- セラミックスの特性
- プラスチックの特性
- 複合材料とCFRPの特徴
- 試験対策で押さえるべきポイント
- FAQ
- まとめ
金属・非金属材料が重要な理由
機械設計や製造では、部品の用途に応じて適切な材料を選ぶ必要があります。
たとえば、同じ部品でも、求められる性能によって選ぶ材料は変わります。
- 強度を重視するのか
- 硬さを重視するのか
- 粘り強さを重視するのか
- 耐熱性が必要なのか
- 耐食性が必要なのか
- 軽量化が必要なのか
- 加工しやすさが重要なのか
このように、材料選定では単に「金属だから強い」「プラスチックだから弱い」と判断するのではなく、材料ごとの性質を比較して考えることが大切です。
技術士第一次試験でも、単語の暗記だけではなく、材料の特徴を理解しているかが問われます。
そのため、まずは金属材料と非金属材料の大まかな分類を押さえておきましょう。
金属材料と非金属材料の分類
機械材料は、大きく分けると金属材料と非金属材料に分類できます。
金属材料には、鉄鋼材料や非鉄金属があります。
非金属材料には、セラミックス、プラスチック、複合材料などがあります。

金属材料
金属材料は、強度や延性、導電性、熱伝導性などに優れるものが多く、機械部品や構造物に広く使われています。
代表的な金属材料には、次のようなものがあります。
- 鉄鋼材料
- アルミニウム合金
- 銅合金
- チタン合金
- ニッケル合金
特に鉄鋼材料は、機械分野で非常に重要です。
炭素量や熱処理によって性質が大きく変わるため、状態図や組織の理解が必要になります。
非金属材料
非金属材料には、セラミックスやプラスチック、複合材料などがあります。
金属材料とは異なる特徴を持ち、用途によっては金属よりも適している場合があります。
たとえば、セラミックスは耐熱性や耐食性に優れます。
プラスチックは軽量で成形しやすい特徴があります。
CFRPのような複合材料は、軽量で高い比強度を持つため、航空機や自動車などにも使われます。
Fe-C系状態図と鉄鋼材料の基本
鉄鋼材料を理解するうえで重要なのが、Fe-C系状態図です。
Fe-C系状態図とは、鉄と炭素の組み合わせにおいて、温度と炭素量によって組織がどのように変化するかを示した図です。
技術士第一次試験では、細かい数値をすべて覚えるよりも、まずは代表的な組織の特徴を理解することが重要です。
Fe-C系 平衡状態図 (鉄-炭素系状態図)
各領域にマウスを合わせると、相(組織)の詳細が表示されます。
主要な変態点・反応
- 共析反応 (727℃): γ ⇔ α + Fe3C (パーライトの形成)
- 共晶反応 (1148℃): L ⇔ γ + Fe3C (レデブライトの形成)
- 包晶反応 (1495℃): L + δ ⇔ γ
記号の意味
- L: 液相 (Liquid)
- α: フェライト (BCC)
- γ: オーステナイト (FCC)
- δ: デルタフェライト (BCC)
- Fe3C: セメンタイト (炭化鉄)
Fe-C系状態図では、温度と炭素量によって鉄鋼材料の組織が変化することを示した概念図。
Fe-C系状態図で見るポイント
Fe-C系状態図では、主に次の点を押さえます。
- 炭素量によって組織が変化する
- 温度によって安定する組織が変わる
- 高温域ではオーステナイトが重要になる
- 炭素量が増えると硬さが増しやすい
- セメンタイトは硬くて脆い
鉄鋼材料は、炭素量が少し変わるだけでも性質が大きく変わります。
そのため、Fe-C系状態図は、鉄鋼材料の性質を理解するための地図のようなものと考えるとよいでしょう。
鉄鋼材料の代表的な組織
鉄鋼材料では、内部の組織によって硬さ、粘り強さ、加工性などが変わります。
代表的な組織として、次の4つを押さえておきましょう。
- フェライト
- オーステナイト
- パーライト
- セメンタイト

フェライト
フェライトは、比較的やわらかく、延性に優れる組織です。
延性とは、材料が破断する前に伸びる性質のことです。
フェライトは硬さは高くありませんが、加工しやすい特徴があります。
試験対策では、まず次のように覚えるとよいです。
- フェライト:軟らかい
- フェライト:延性がある
- フェライト:加工しやすい
オーステナイト
オーステナイトは、高温で安定する組織です。
焼入れなどの熱処理を理解するうえで重要になります。
高温状態でオーステナイトにしたあと、急冷することでマルテンサイトなどの硬い組織を得ることがあります。
試験では、次のポイントがよく問われます。
- オーステナイト:高温で安定
- 熱処理と関係が深い
- 焼入れ前の状態として重要
パーライト
パーライトは、フェライトとセメンタイトが層状に並んだ組織です。
フェライトよりも硬く、鉄鋼材料の代表的な組織として登場します。
名前だけでは性質がイメージしづらいですが、フェライトとセメンタイトが組み合わさった組織と考えると整理しやすくなります。
覚えるポイントは次のとおりです。
- パーライト:フェライトとセメンタイトの層状組織
- フェライト単体より硬い
- 炭素鋼でよく登場する組織
セメンタイト
セメンタイトは、鉄と炭素の化合物で、非常に硬い組織です。
ただし、硬い一方で脆い性質があります。
脆いとは、衝撃や変形に対して割れやすい性質のことです。
試験では、次のように整理しておくとよいです。
- セメンタイト:非常に硬い
- セメンタイト:脆い
- 硬さに関する問題で問われやすい
熱処理の種類と目的
熱処理とは、材料を加熱・冷却することで、性質を変える処理です。
鉄鋼材料では、熱処理によって次のような性質を調整します。
- 硬さ
- 靭性
- 加工性
- 内部応力
- 組織の均質性
技術士第一次試験では、特に次の4つが重要です。
- 焼入れ
- 焼戻し
- 焼なまし
- 焼準

焼入れ(Quenching)
焼入れは、鋼を高温に加熱したあと、急冷する処理です。
目的は、硬い組織であるマルテンサイトを得ることです。
マルテンサイトは非常に硬い組織ですが、その一方で脆くなりやすい特徴があります。
焼入れのポイントは次のとおりです。
- 高温から急冷する
- 硬さを高める
- マルテンサイトを得る
- 硬くなるが脆くなりやすい
焼戻し(Tempering)
焼戻しは、焼入れ後の鋼を再加熱する処理です。
焼入れによって鋼は硬くなりますが、そのままでは脆くなりやすいです。
そこで、焼戻しを行うことで、硬さを調整しながら靭性を付与します。
靭性とは、材料が破壊されにくい粘り強さのことです。
焼戻しのポイントは次のとおりです。
- 焼入れ後に行う
- 再加熱する
- 靭性を高める
- 焼入れとセットで覚える
焼なまし(Annealing)
焼なましは、材料を加熱したあと、ゆっくり冷却する処理です。
主な目的は、材料を軟らかくすることや、加工によって生じた内部応力を除去することです。
焼なましは、加工しやすくしたい場合や、残留応力を減らしたい場合に使われます。
焼なましのポイントは次のとおりです。
- 加熱後にゆっくり冷却する
- 材料を軟らかくする
- 内部応力を除去する
- 加工性を改善する
焼準(しょうじゅん)(Normalizing)
焼準は、組織を均質化し、機械的性質を標準的な状態に整える処理です。
焼なましと混同しやすいですが、焼準は「組織を整える」「性質を標準化する」という目的で覚えると整理しやすいです。
焼準のポイントは次のとおりです。
- 組織を均質化する
- 機械的性質を標準的に整える
- 材料のばらつきを小さくする
熱処理の覚え方
熱処理は、目的とセットで覚えるのがおすすめです。
| 熱処理 | 主な目的 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 焼入れ | 硬くする | 急冷して硬化 |
| 焼戻し | 靭性を与える | 焼入れ後に再加熱 |
| 焼なまし | 軟らかくする・内部応力を除去 | ゆっくり冷却 |
| 焼準 | 組織を均質化する | 標準的な状態に整える |
合金の強化機構
合金とは、ある金属に別の元素を加えて性質を改善した材料です。
合金では、元素の加え方や組織の変化によって、強度や硬さを高めることができます。
技術士第一次試験では、特に次の2つを押さえておきたいです。
- 固溶強化
- 析出硬化
固溶強化
固溶強化とは、金属の結晶格子の中に別の原子が入り込み、格子を歪ませることで材料を強くする方法です。
結晶格子とは、金属原子が規則正しく並んだ構造のことです。
そこに大きさの違う原子が入り込むと、原子の並びに歪みが生じます。
この歪みによって、材料が変形しにくくなり、強度や硬さが上がります。
固溶強化のポイントは次のとおりです。
- 別の原子が入り込む
- 結晶格子が歪む
- 変形しにくくなる
- 強度や硬さが向上する
析出硬化
析出硬化は、材料中に微細な粒子を析出させることで強度を高める方法です。
時効硬化とも呼ばれます。
代表例として、ジュラルミンがよく知られています。
微細な析出物が材料内部にできると、変形が進みにくくなります。
その結果、材料の強度が向上します。
析出硬化のポイントは次のとおりです。
- 微細な粒子を析出させる
- 変形を妨げる
- 強度が上がる
- ジュラルミンが代表例
固溶強化と析出硬化の違い
固溶強化と析出硬化は、どちらも材料を強くする方法ですが、仕組みが異なります。
| 強化機構 | 仕組み | 覚え方 |
|---|---|---|
| 固溶強化 | 別の原子が入り格子を歪ませる | 原子で歪ませる |
| 析出硬化 | 微細粒子を出して変形を妨げる | 粒子で止める |
試験では、「格子の歪み」と出てきたら固溶強化、「微細な析出物」と出てきたら析出硬化を考えると判断しやすくなります。
セラミックスの特性
セラミックスは、金属やプラスチックとは異なる特徴を持つ非金属材料です。
一般に、セラミックスは硬く、熱や腐食に強い一方で、衝撃には弱い傾向があります。

セラミックスの長所
セラミックスの代表的な長所は次のとおりです。
- 耐熱性に優れる
- 耐食性に優れる
- 硬度が高い
- 耐摩耗性に優れる
- 電気絶縁性に優れるものが多い
高温環境や腐食しやすい環境では、金属材料よりもセラミックスが適している場合があります。
たとえば、切削工具、耐火物、絶縁部品、電子部品などに使われることがあります。
セラミックスの短所
セラミックスの短所は、靭性が低く、脆いことです。
硬い材料ではありますが、衝撃を受けたときに割れやすい場合があります。
そのため、強い衝撃や急激な応力がかかる用途では注意が必要です。
試験では、次の表現がよく出てきます。
- セラミックスは高硬度
- セラミックスは耐熱性に優れる
- セラミックスは耐食性に優れる
- セラミックスは脆性材料である
- セラミックスは靭性が低い
ファインセラミックス
セラミックスの中には、機能性を高めたファインセラミックスもあります。
ファインセラミックスは、従来の陶磁器のようなセラミックスとは異なり、精密に制御された材料です。
絶縁体として使われるだけでなく、用途によっては半導体、誘電体、圧電体などとして使われる場合もあります。
電子部品や精密機器、医療機器など、幅広い分野で利用されています。
プラスチックの特性
プラスチックは、軽量で成形しやすい非金属材料です。
試験では、特に熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いがよく問われます。

熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は、加熱すると軟らかくなり、冷却すると固まる樹脂です。
再加熱すれば再び軟らかくなるため、再成形やリサイクルがしやすい特徴があります。
イメージとしては、チョコレートに近いです。
温めると軟らかくなり、冷やすと固まります。
代表例は次のとおりです。
- ポリエチレン:PE
- ポリ塩化ビニル:PVC
- ポリプロピレン:PP
- ポリスチレン:PS
熱可塑性樹脂のポイントは次のとおりです。
- 加熱で軟らかくなる
- 冷却で固まる
- 再成形しやすい
- リサイクルしやすいものが多い
熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、加熱によって化学反応が進み、硬化する樹脂です。
一度硬化すると、再加熱しても元のように軟らかくなりにくい特徴があります。
イメージとしては、目玉焼きに近いです。
一度加熱して固まると、冷やしても元には戻りません。
代表例は次のとおりです。
- エポキシ樹脂
- フェノール樹脂
- メラミン樹脂
- 不飽和ポリエステル樹脂
熱硬化性樹脂のポイントは次のとおりです。
- 加熱で硬化する
- 一度硬化すると戻りにくい
- 耐熱性に優れるものが多い
- 接着剤や電気部品などにも使われる
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違い
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂は、加熱したときの挙動で区別できます。
| 種類 | 加熱したとき | 再成形 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 熱可塑性樹脂 | 軟らかくなる | しやすい | PE、PVC、PP、PS |
| 熱硬化性樹脂 | 硬化する | しにくい | エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂 |
熱可塑性樹脂は、加熱と冷却によって形を変えやすい材料です。
一方、熱硬化性樹脂は、加熱によって化学反応が進み、立体的な網目構造をつくるため、一度硬化すると再び軟らかくなりにくい性質があります。
試験対策では、次のように覚えると整理しやすいです。
- 熱可塑性樹脂:加熱で軟化、冷却で固化、再成形しやすい
- 熱硬化性樹脂:加熱で硬化、一度固まると戻りにくい
身近なイメージでいうと、熱可塑性樹脂はチョコレート、熱硬化性樹脂は目玉焼きに近いと考えると覚えやすくなります。
複合材料とCFRPの特徴
複合材料とは、複数の材料を組み合わせて、それぞれの長所を活かした材料です。
単一の材料では得にくい性能を実現できるため、航空機、自動車、スポーツ用品、建築材料など、さまざまな分野で使われています。
代表的な複合材料として、CFRPがあります。
CFRPは、Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略で、日本語では炭素繊維強化プラスチックと呼ばれます。
炭素繊維と樹脂を組み合わせた構造で、軽量で高い比強度を持つ複合材料として利用されます。
複合材料の考え方
複合材料は、異なる材料を組み合わせることで、弱点を補いながら性能を高めます。
たとえば、プラスチックは軽量で成形しやすい一方で、金属に比べると強度が不足する場合があります。
そこで、樹脂に繊維を加えて補強することで、軽さを保ちながら強度を高めることができます。
このように、複合材料では次のような役割分担があります。
- 母材:全体の形を保つ材料
- 強化材:強度や剛性を高める材料
CFRPの場合、樹脂が母材、炭素繊維が強化材にあたります。
CFRPの特徴
CFRPの大きな特徴は、軽量で強度が高いことです。
特に、材料の重さに対する強さを表す比強度に優れています。
比強度とは、次のように表されます。
比強度 = 強度 ÷ 密度
同じ強度を持つ材料でも、密度が小さければ軽くなります。
そのため、軽量化が重要な分野では、比強度の高い材料が有利になります。
CFRPの主な特徴は次のとおりです。
- 軽量である
- 強度が高い
- 比強度が高い
- 耐食性に優れる
- 設計自由度が高い
- 航空機や自動車などで使われる
ただし、CFRPにも注意点があります。
一般に、金属材料と比べて加工や接合が難しい場合があり、材料費も高くなりやすい傾向があります。
CFRPが使われる分野
CFRPは、軽量化と高強度が求められる分野で使われます。
代表的な用途は次のとおりです。
- 航空機の構造部材
- 自動車部品
- 風力発電のブレード
- スポーツ用品
- 釣り竿
- ゴルフクラブ
- 自転車フレーム
- 医療機器
特に航空機や自動車では、軽量化によって燃費やエネルギー効率の改善が期待できます。
試験対策では、CFRPについて次のように覚えておきましょう。
- CFRPは炭素繊維強化プラスチック
- 樹脂に炭素繊維を組み合わせた複合材料
- 軽量で比強度が高い
- 航空機や自動車などで利用される
試験対策で押さえるべきポイント
金属・非金属材料の分野では、細かい数値をすべて暗記するよりも、まずは材料ごとの特徴を比較できることが重要です。
技術士第一次試験では、用語の意味だけでなく、材料の性質や用途を問う問題が出ることがあります。
そのため、次のような視点で整理しておくと、選択肢を判断しやすくなります。
- 硬い材料か、軟らかい材料か
- 靭性が高いか、低いか
- 耐熱性に優れるか
- 耐食性に優れるか
- 加工しやすいか
- 再成形できるか
- 軽量化に向いているか
鉄鋼材料で覚えるポイント
鉄鋼材料では、組織名と特徴をセットで覚えることが大切です。
| 用語 | 覚えるポイント |
|---|---|
| フェライト | 軟らかく、延性がある |
| オーステナイト | 高温で安定する |
| パーライト | フェライトとセメンタイトの層状組織 |
| セメンタイト | 非常に硬いが脆い |
| マルテンサイト | 焼入れで得られる硬い組織 |
特に、フェライト、オーステナイト、セメンタイトは混同しやすい用語です。
試験前には、性質を一言で説明できるようにしておきましょう。
熱処理で覚えるポイント
熱処理では、処理名と目的をセットで覚えることが重要です。
| 熱処理 | 覚えるポイント |
|---|---|
| 焼入れ | 急冷して硬くする |
| 焼戻し | 焼入れ後に再加熱して靭性を与える |
| 焼なまし | 徐冷して軟らかくし、内部応力を除去する |
| 焼準 | 組織を均質化し、標準的な状態に整える |
焼入れと焼戻しは、特にセットで出題されやすいです。
「焼入れで硬くする」「焼戻しで粘り強さを与える」と整理しておくとよいでしょう。
非金属材料で覚えるポイント
非金属材料では、セラミックスとプラスチックの特徴を対比して覚えると理解しやすいです。
| 材料 | 覚えるポイント |
|---|---|
| セラミックス | 耐熱性・耐食性・高硬度に優れるが脆い |
| 熱可塑性樹脂 | 加熱で軟化し、再成形しやすい |
| 熱硬化性樹脂 | 加熱で硬化し、一度固まると戻りにくい |
| CFRP | 軽量で比強度が高い複合材料 |
セラミックスは「硬いが脆い」、熱可塑性樹脂は「再成形しやすい」、熱硬化性樹脂は「一度固まると戻りにくい」と覚えると、選択肢を判断しやすくなります。
頻出ポイント一覧
試験直前の確認用として、重要用語をまとめると次のようになります。
| 分野 | 用語 | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 鉄鋼材料 | Fe-C系状態図 | 温度と炭素量で組織が変化する |
| 鉄鋼材料 | フェライト | 軟らかい |
| 鉄鋼材料 | オーステナイト | 高温で安定 |
| 鉄鋼材料 | セメンタイト | 硬くて脆い |
| 鉄鋼材料 | マルテンサイト | 焼入れで得られる硬い組織 |
| 熱処理 | 焼入れ | 急冷して硬化 |
| 熱処理 | 焼戻し | 靭性を付与 |
| 熱処理 | 焼なまし | 軟化・内部応力除去 |
| 熱処理 | 焼準 | 組織の均質化 |
| 合金 | 固溶強化 | 原子が入り格子を歪ませる |
| 合金 | 析出硬化 | 微細粒子で変形を妨げる |
| 非金属材料 | セラミックス | 耐熱性・高硬度に優れるが脆い |
| 非金属材料 | 熱可塑性樹脂 | 加熱で軟化し再成形しやすい |
| 非金属材料 | 熱硬化性樹脂 | 加熱で硬化し戻りにくい |
| 複合材料 | CFRP | 軽量で比強度が高い |
FAQ
Fe-C系状態図では何を覚えればよいですか?
Fe-C系状態図では、まず代表的な組織の特徴を覚えることが重要です。
特に、フェライト、オーステナイト、パーライト、セメンタイトの違いを押さえましょう。
- フェライト:軟らかい
- オーステナイト:高温で安定
- パーライト:フェライトとセメンタイトの層状組織
- セメンタイト:硬くて脆い
細かい数値をすべて暗記するよりも、温度や炭素量によって組織が変化するという考え方を理解することが大切です。
焼入れと焼戻しの違いは何ですか?
焼入れは、鋼を高温から急冷して硬くする処理です。
焼戻しは、焼入れで硬く脆くなった鋼を再加熱し、靭性を与える処理です。
簡単に整理すると、次のようになります。
- 焼入れ:硬くする
- 焼戻し:粘り強さを与える
焼入れと焼戻しはセットで行われることが多いため、試験でも組み合わせて覚えておくとよいでしょう。
焼なましと焼準の違いは何ですか?
焼なましは、材料を軟らかくしたり、内部応力を除去したりする目的で行います。
一方、焼準は、組織を均質化し、機械的性質を標準的な状態に整える目的で行います。
覚え方としては、次のように整理できます。
- 焼なまし:軟化・内部応力除去
- 焼準:組織の均質化・標準化
どちらも加熱と冷却を伴う処理ですが、目的が異なる点に注意しましょう。
固溶強化と析出硬化の違いは何ですか?
固溶強化は、別の原子が結晶格子に入り込み、格子を歪ませることで材料を強くする方法です。
一方、析出硬化は、材料中に微細な粒子を析出させ、その粒子が変形を妨げることで強度を高める方法です。
簡単にいうと、次の違いがあります。
- 固溶強化:原子で格子を歪ませる
- 析出硬化:微細粒子で変形を妨げる
「格子の歪み」が出てきたら固溶強化、「微細な析出物」が出てきたら析出硬化を考えると判断しやすいです。
セラミックスの長所と短所は何ですか?
セラミックスの長所は、耐熱性、耐食性、高硬度、耐摩耗性に優れることです。
また、電気絶縁性に優れるものも多くあります。
一方で、短所は靭性が低く、脆いことです。
硬い材料ではありますが、衝撃によって割れやすい場合があります。
試験では、次のように覚えるとよいでしょう。
- セラミックス:硬く、熱や腐食に強い
- セラミックス:衝撃に弱く、脆い
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂はどう見分けますか?
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂は、加熱したときの挙動で見分けます。
- 熱可塑性樹脂:加熱すると軟らかくなり、冷却すると固まる
- 熱硬化性樹脂:加熱すると硬化し、一度固まると戻りにくい
代表例もセットで覚えるとよいです。
- 熱可塑性樹脂:PE、PVC、PP、PS
- 熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂
CFRPとは何ですか?
CFRPは、炭素繊維強化プラスチックのことです。
樹脂の中に炭素繊維を組み合わせた複合材料で、軽量かつ高強度であることが特徴です。
特に、強度を密度で割った比強度に優れています。
そのため、航空機、自動車、スポーツ用品など、軽量化が重要な分野で使われます。
試験対策では、次のように覚えておきましょう。
- CFRP:炭素繊維強化プラスチック
- CFRP:軽量で比強度が高い
- CFRP:複合材料の代表例
まとめ
金属・非金属材料は、技術士第一次試験で頻出の重要分野です。
特に、鉄鋼材料のFe-C系状態図、熱処理、合金の強化機構、セラミックス、プラスチック、CFRPは、優先して押さえておきたいテーマです。
この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。
- Fe-C系状態図では、温度と炭素量によって組織が変化する
- フェライトは軟らかく、オーステナイトは高温で安定する
- パーライトはフェライトとセメンタイトの層状組織
- セメンタイトは非常に硬いが脆い
- 焼入れは急冷して硬くする処理
- 焼戻しは焼入れ後に再加熱して靭性を与える処理
- 焼なましは軟化や内部応力除去を目的とする
- 焼準は組織を均質化し、標準的な状態に整える
- 固溶強化は格子の歪みによって材料を強くする
- 析出硬化は微細粒子によって変形を妨げる
- セラミックスは耐熱性・耐食性・高硬度に優れるが脆い
- 熱可塑性樹脂は加熱で軟化し、再成形しやすい
- 熱硬化性樹脂は加熱で硬化し、一度固まると戻りにくい
- CFRPは軽量で比強度が高い複合材料である
試験対策では、用語を丸暗記するだけでなく、材料の特徴を比較して理解することが大切です。
「硬いのか、軟らかいのか」「靭性は高いのか、低いのか」「再成形できるのか」「軽量化に向いているのか」といった視点で整理すると、選択肢の判断がしやすくなります。
まずは頻出用語を一通り押さえたうえで、過去問演習を通じて知識を定着させていきましょう。


コメント